ボストン出張(2015.07.27)

今の会社で最初の海外出張です。通常は相手がOKをして訪問、となるのですが、今回は見切り発車での訪問です。訪問を持ちかけましたが、理由をいろいろ出しては断ってきました。しかし、目視確認も必要なので行くしかありません。お偉いさんからも顔を見てこい、と言われたので、相手のOKも無い状態で出張を設定しました。土壇場であちらも仕方ないとあきらめたのか受け入れる旨、返事がきましたが、望まれていく訪問ではありません。過去10数回行った海外出張でも、こんなのは初めてです。

成田が夕方の便なので、朝、出社してから成田に向かうこともできますが、さすがにそんなに頑張る必要も無いのでゆっくり起きてゆっくり成田に向かいます。いつもは立川からリムジンバスで行くのですが、ぴったりの便しかないので新宿から成田エクスプレスを使いました。猛暑なので、新宿駅で待っている間も汗がしたたり落ちます。吉祥寺からのリムジンは適当なものがあったので、それにすればよかったと反省。


今回、初めてのデルタ航空。そして私が避けたいJFK経由でのボストン行き (DL172 NRT16:55発、JFK:17:15、Boeing 777-200/300)。急に決まった出張で日が無かったのと、夏休み期間で選択の余地がなく、この便となりました。アメリカの航空会社なので、インド行きで使っていたシンガポール航空と比べると、サービスの差は歴然としています。まぁ、仕事だから仕方ありません。ビールを飲んで寝るしかありませんが、なんか、2本目を頼みづらい雰囲気。いかにもアメリカの航空会社のCAというたくましいおばちゃんがドシドシ足音を鳴らしながら急いで通路を行き来していますので、ビールもう1本くれと言うこともままなりません。


JFK 到着前の食事は焼きそばでした。

JFKには1時間以上遅れて到着しました。そもそも成田で乗り継ぎ待ちということで出発が遅れ、それがそのままJFK到着遅れとなりました。乗り継ぎ時間が2時間ちょっとしかないので、かなりまずい状況です。しかしJFKは夏休みのため激混み。入国審査の行列も長い。やっと終わってスーツケースを乗り継ぎ専用カウンターでベルトコンベアーに載せて、乗り継ぎのための行列に並びましたが、ここもまたかなりの長さ。正直、もうダメだ、と覚悟を決めました。ただ、5分前に搭乗審査を終えたので、ダメ元でJFKを激走。それにしても、搭乗口が遠い。走っても走っても、搭乗口の番号にたどり着きません。通路は人で混んでいるため、走ることもままなりません。成田だったら航空会社のお姉さまがいっしょに走ってくれてなんとかなるのでしょうけど、ここはそんなものはありません。孤独な激走。気が付いて見れば、一番遠いところにある搭乗口でした。

やった、ギリで間に合った、と思ったのですが、すでにドアは閉じられておりました。カウンターにいたおばちゃんにチケットを見せて説明したところ、次の便を指示されました。しかし、2時間弱も待ち。あーあ。ホテルには真夜中の到着になるなぁ。JFK->BOSは1時間だから食事なんか出ないので、何か食べないとダメだな、と思ってみたものの、疲労困憊で食べる気力もおきません。でも、夜まで持たないと思ったので、バナナ1本購入。

JFKを飛び立った時にはすでに夜。夜景がきれいです。

そしてボストン到着。空港内の店は皆、CLOSED。おなかがすいているようなすいていないような、よくわからない状況。どちらにしても食事ができそうもないので、レンタカーを借りるためにハーツに向かいます。私の記憶では、空港内の1つ内側の道路を、ハーツだったら黄色いバス、エイビスだったら赤いバスが走っていて、それに乗れば連れて行ってくれるはず、と思っていたのですが。それらしきバスが全く走っていません。う〜む、困った、と思って観察していると、レンタカーのロゴがたくさん貼られているバスが走っていることを発見。なるほど、これだ、と思い、聞いてみるとそうだ、という回答。どうやらレンタカー屋さん個別のバスはなくなり、単なる空港内の周回バスに乗れば、レンタカー屋さんに連れて行ってくれるみたい。私がボストンに来ないこの15年の間にいろいろなことが変わったみたいです。不安と闘いながらバスに乗っていると、それらしきバス停にたどり着きました。そこはハーツ専用とかエイビス専用とかいうのではなく、各社のカウンターが集結しているところでした。なるほど、そういうことね。あったあった、黄色いハーツがあった。

事前に日本で予約していたのでカウンターでは比較的すんなりいきました。面倒だったのはやはり保険。うちの会社は海外出張でレンタカーを使うようなことはほとんどないみたいで、総務も特にガイドラインが無いとのこと。常識の範囲内で適切に処理してください、という指示。しょうがないので自分で適当なものを選択。

ついでにナビ(こちらではGPSと呼ぶ)も注文。ナビと言ってもデカいスマホ。言語設定で日本語も選択可能です。結構費用はかさみますが、モノは試しということで借りてみました。最初は不要かと思っていましたが、結果的にはこれは正解。特に夜は威力を発揮しました。ただ、このスマホを車に固定するマウンター(?)が車に固定できません。吸盤でくっつけるのですが、そもそもツルツルの真っ平らなとこでないとくっつきません。どうやっても固定できません。車を走らせることができず、しばしば車の中で試行錯誤。結局、フロントガラスに張り付けて宙吊りにするしかないということで一件落着(?)。

さて、出発。空港内の道路は暗く、すでに深夜のため車もあまり走っておらず、最初、どこを走ればいいのかまったくわかりません。やはりナビです。借りててよかった、なのですが、フロントガラスにうまくくっついていなかったようで、空港内を走りだして5分くらいで落下。車を停める場所も無いため、固定せずに、でも、時々画面をこっちに向くように片手運転しながらスマホの位置を直したり、という具合に大変な状況で運転。やがて空港からの EXIT を見つけ、Sumner Tunnel の入り口の料金所に到着。事前に Google さんで予習していたので、一番左の CASH のレーンに入り、無事通過。トンネルは最初は左側を走り、最後は右から出る、という事前予習の成果を発揮して、無事 I-93 NORTH に。途中、ナビがいろいろお話してくれるのですが、私が日本で使っているナビとはあまりに違う案内のため、最初はまった意味不明で、事前予習の記憶を頼りに走りました。ただ、I-93 NORTH を走り始めてからは心の余裕ができたのか、ナビにもだんだん慣れてきました。

30分くらい走り、無事、ホテル (Best Western Plus New Englander @Woburn) 到着。この時点ですでに夜の1時。やっと眠ることができる、と思いホテルのフロントに行くと、いかにもアメリカというデブっとしたおばちゃんが突っ伏して居眠り。仕方ないのでチーンと呼び鈴を鳴らすと、ガバっと起きて、目をまん丸にして私を驚愕のまなざしで見たのでした。その時にはすでに、まずい、という不吉な予感があったのですが、不安を隠しつつ、「俺は予約をしていた○○だ」と告げたところ、おばちゃんは今度は悲しげなまなざしで言ったのでした。「知っている。でも残念だがあなたの部屋は無い」と。「はぁ?無いだと!俺は予約しとるぞ!ほら、これを見ろ!」と予約の紙を見せてもおばちゃんはその紙を見ることもせず、「だから、知っているって言ったじゃないか。部屋は無いんだよ。満室だ。これからほかのホテルを探すからちょっと待て」と言い、早くも電話をかけ始めました。「う〜む、まずい。アメリカのおばちゃんがこう言い出したらどうしようない。しかし、ここは頑張らないといけない」と思い、さらに交渉しようと話しかけてもおばちゃんはそんな私を無視して電話でホテル探しを継続。

やっと見つけたようで、ホテルの名前、住所だけをさらさらと紙に書き、かつ、次のホテルへの紹介状みたいな用紙を作成して私に渡し、「ここに泊まれるから、ここに行け。じゃーねー。」みたいな感じで奥に引っ込んで逃げようとするので、「ちょっと待て、俺は日本から来たんだぞ、住所だけもらって行けるわけないだろう!」と言い放つ。しかし敵もそんなことではビビりもしない。わかった、と言い、Google さんでルートを検索して、それを印刷して私に渡してきました。

もう、打つ手なし、と私もあきらめ、でも一応、泊まれないのは今晩だけで、明日からは大丈夫、ということを確認して、またゴロゴロとスーツケースを引きずって車に戻り、ナビを設定しては暗い夜道を走りだしました。一回、I-93 NORTH に入るところを間違い、暗い人気のない道に入り込み焦りましたが無事生還を果たし、I-95 NORTH に移り、目的地に到着。

ここは Lakeside Inn@Wakefield というところ。最近、名前が変わったようで、Google では Clarion Inn となっていますが、Lake Quannapowitt の湖畔にあります。ただ、真夜中の到着なのでどこに何があるのか皆目見当がつきません。

フロンでチェックインを始めたら、フロントのお姉さまから「お前は日本から来たのか?」と聞かれ、そうだ、と応えると、「こっちの人 (もう一人のお姉さま)は日本語が話せるぞ」と言う。そこでなぜか日本語でチェックインという作業に相成りました。どうやら数年、日本で働いたことがあるとのこと。そうかそうか、と適当に話を合わせていたものの、相手は日本語が話したいのか、ずっと話をしてきます。「何しに来た?」、「IT関係の打ち合わせでこっちにある会社を訪問する」、「ITの会社?日本から一人で来て交渉するのか?すごーい!」、「いや、そんなたいしたことはない。ボストンはもう10回弱くらい来ている。」、「すごーい」、みたいな感じ。こっちは早く寝たいのですが、せっかくあちらも日本語で話しかけてくるので無下に冷たい対応もできません。しかし、もう限界。「ごめん、眠いから」、と言って部屋に入り、まずは到着したと日本にメール。腹が減ってはいるものの、今更日本から持参のものを食べる元気もありません。館内には Coke Machine しか無いので酒もありません。シャワーをさっと浴びてベッドに入りましたが、あまりにあまりのことで目が冴えてしまい、なかなか眠ることができませんでした。

そんな長い一日でした。