インド出張 (あとがき)

さて、インド出張を終えて。前回も書きましたが、今回も書かないといけない気持ちでいっぱいです。前回は観光先で見つけたはだしの姉妹のことを書きました。もっとも、はだしの人はインドではどこにでもいると思うので珍しいことではないのですが、今回は私が訪れたパートナー会社にいました。

インドでは tea boy と呼ばれる (? 何が一般的呼称か不明) お茶出し専門の人がいます。きちんと調べていないのでわかりませんが、おそらくカースト的に低い位置の人ではないかと思います。前回の出張までは tea boy はまさしく boy だったのですが、今回は girl でした。そしてはだし。彼女は私にも一日数回お茶を持ってくるのですが、その度に彼女の足を見てしまいます。彼女はお茶出し専門なので、その仕事がないときはぼーっと外を見ています。正確に言うと、彼女の仕事場はバルコニー(屋外)であり、お茶を持ってくるとき以外は常に外にいます。仕事がない時でもバルコニーで待機しており、やることがないのでぼーっと外を見ています。彼女が言葉を発することはほとんどなく、私と会話することもありません。彼女からすると、とっても上のレベルの方なのでおいそれとは近くにいてはいけない、と思っているのか、私が気分転換にバルコニーに出ると、それまで座っていた場合ははっとして立ち上がり、また、私とは距離を取ろうとします。これがインドの一般的なやり方とは言え、非常につらい。いつもさみしげな顔をしてお茶を持ってきたり、距離を置いているときもさみしそうな顔をしています。

そして今回は雨季の後だったからそうなったのか、オフィスの前の空き地に巨大な水たまりができており、近所の人がそこで朝から夕方まで、ずっと洗濯をしています。川での洗濯であればまだ理解できるのですが、水たまりでの洗濯というのも見るほうもつらい。

日本も貧富の差が大きくなってきているとはいえ、インドでのこういう現実を見るにつけ、日本はなんて恵まれているのだろう、とあらためて考えてしまいます。ただ、本当に恵まれているのか?日本は得たものは多いのでしょうけど、失ったものも多いのでしょう。それはインドも同じことですが、せめて多くの人が最低限の生活をできるようになってほしいと願わざるをえません。IT大国とはなっているインドではありますが、自宅へのトイレの普及率よりも携帯電話の普及率が上回っているという現実は、やはり間違っていると思います。