航空科学博物館 (2012.06.30)

昨年は忙しくて行けなかった元上司の墓参りに家族で行ってきました(土日に私一人の外出は子供が許さない)。ただ、墓参りだけだと子供がかわいそうなので、いつもは近くにある佐倉ふるさと広場の風車を見に行っていたのですが、今年は足を延ばして成田空港に隣接している航空科学博物館にも行ってきました。鉄道(JR/国鉄)に対して鉄道博物館(てっぱく)があるように、飛行機の博物館なのです。行く前はそんなに期待していなかったのですが、結構、はまりました。運がよくフライトシュミレータ等を体験できればちょっとは時間がかかるかもしれないとは思いましたが、結局、4時間くらい、そこにいました。しかし、昼食の時間がはいっているとはいえ、フライトシュミレータ等を入れるとこれくらい時間をとってあげないと子供は満足できないでしょう。確かに大人から見ても、個人的にはてっぱくよりはおもしろいと思いましたし、4時間も特に長いとは思いませんでした。5Fにあるエアコンの効いた展望台で、成田からの発着便をぼーっと眺めているのも悪くありません。交通の便が悪いのでてっぱくのように混んでもいませんのでゆっくりできます (とはいえ、私の予想を上回る人がいました。駐車場も予想上の広さでした。)

航空博物館に行く道の最後は、なかなか怪しい道。案内が出ているので間違いはないのですが、本当にこんなところでいいのか、という道。できるだけ成田空港の滑走路に近いところで、かつ、見晴らしがいいところ、ということでそこになったのでしょう(成田空港のA滑走路をしっかり見ることができる位置にあります)。館内に飛行機まるまる一機は格納できないので、輪切りになった胴体とかパーツパーツが置かれていますが、外には懐かしの (といっても私は乗ったことがない) YS-11 なども置いてあり、中に入ることもできます。YS-11 の中はなかなか怪しい空間とはなっていますが(試作機だから?)、今の旅客機と比べてこんなに小さかったんだ、という大きさ。

航空博物館に入ったら、まずDC8フライトシュミレータとB747大型模型操縦の申し込みを。人数と1日の回数限定のイベント。出だしが遅れて11時到着だったのでもうすでにいっぱいかと思っていたのですが、13:30にDC8フライトシュミレータ、そして14:10に大型模型の操縦体験をゲットすることができました。最初、13:30までかなり時間があるなぁ、と思っていたのですが、結構、時間はつぶせます (いや、ちょっと足りないくらいでした)。確保すべきもの確保したので、まずは、5F(ここは屋内でエアコン付き、椅子あり、ただし飛行機の発着音ナシ)、そして3F(ここは屋外のため飛行機の発着音アリ、かつ滑走路に向かう飛行機を見ることができる)から、成田空港A滑走路での飛行機の離発着を見学。これがなかなかおもしろい。実際に飛行機に乗るために空港に行っても、そこは主に滑走路の横からの眺めのはず。それはそれでおもしろいのですが、航空博物館からは縦 (やや斜め) からの眺めとなります。離陸の際、前がつかえているので駐機中、というアナウンスをよく聞きますが、なるほど、こんな感じでお行儀よく並んでいるのですね。こう見ると、航空機もかわいいもんです。また、着陸の際にタイヤから白煙が上がる様子なども見ることができます。

外に置いてあるジャンボの前頭部(?)もなかなか興味深いものです。こんなところ、実物はなかなか見ることができませんからね (JALANAが見学会をやってはいますが、土日に限定すると、なかなか当選しないでしょう)。
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さて、昼食を食べたり展示を見たり、離発着する飛行機の眺めていると、結構、時間が経過してしまいます。DC8フライトシュミレーションの時間となりました。
DC8フライトシュミレーションは、おもちゃ(ゲーム)ではなく本物です。DC8自身はすでにお役御免なので就航はしていませんが、昔、実際に使っていたものを移設したとのこと。今回は申し込みが遅かったので我が家は全員、乗客でしたが、早めに申し込むと機長または副機長として操縦をすることができます。といっても本物なんで素人さんは無理、ということで、博物館の方が指示してくれます。後の大型模型もそうですが、おそらく元パイロットなのでしょう。きちんとした飛行機の説明をしてくれます (かつ、軽妙なトークでなかなかおもしろい)。
ただの乗客とはいえ、実際に離陸するときや着陸した後に滑走路を走っている際のがたがたした感覚など本物そっくりで、シュミレーターも馬鹿に出来ん、と思ってしまいました。なお、飛行中は全面スクリーン、および横の窓には景色が映し出されて臨場感もなかなかのもの。乗客としても十分、楽しめます。ちなみに我々が乗ったのは FLT003便で、成田空港を離陸して銚子の先の犬吠埼を回り、また成田空港に戻るというフライトでした。フライト時間は10分程度ですが、その前にブリーフィングがあり、合わせて30分程の所要時間となります。終わった後は写真撮影タイムもあります (お願いすれば、説明してくれた博物館の方が撮ってくれます)。

これが終わると、次は大型模型の操縦タイム。こちらはグループ単位(6名/グループ)での参加となります。そのうち2人がパイロット(正と副)となり操縦の練習をして、残り4名は後ろでそれを見ている、というものです。我が家の場合は長男が機長、二男が副機長となりました。こちらも博物館の人(元パイロット?)が教えてくれますが、事前に練習はするとはいえ、次はこれ、次はこれと矢継ぎ早に指示が飛びますので、うかうかしてはいられません。要するに、パイロットとはいろんなことをやらないといけない、ということを教えてくれるのでしょう、と勝手に判断しましたが、大人でもなかなか難しい操縦訓練です。操縦の結果は画面ではなく、館内にある飛行機の大型模型に反映されます。操縦かんを前に倒せば模型飛行機の首が上がり、操縦かんを右に回して足も右元のペダルを踏めば模型飛行機が右に傾く、という具合に、離陸、そして着陸の練習をします (最初、館内を見て回った際にこの大型飛行機が動いていたのは知っていたのですが、それは見学者が操縦していたのですね)。
DC-8のほうだったか大型模型のほうだったか忘れましたが、ここはゲームセンターではありません、博物館です、したがって、この操縦の練習もゲームではなく学習です、と言っていました。最初は確かにゲーム感覚で参加していましたが、やっている内容はまじめそのもので、かつ、飛行機のことをきちんと覚えてもらおう、という意識がひしひしと伝わってきます。(特にフライトシュミレータと大型模型の操縦に参加すると) 大人でも、なーる程、ということを結構、覚えて帰ることになります。たとえばコックピットでは機長と副機長の二人が並ぶが、左右のどちらが機長なのか、とか (正解は左)、空港はなぜ空駅ではなく空港なのか、とか (確かに英語では air-station ではなく air-portですが)。これは、元々は船からの流れでそうなってきた、とのことです。そもそも、日本語で空駅はちょっと言いにくいですけどね。
大型模型の操縦の後も、ちゃんと撮影タイムの時間を確保してくれます。この写真は操縦をしたうちの二人の息子の写真となっていますが、家族全員が入った写真も博物館の人が撮ってくれます。

そうこうしているうちに3時近くになってしまい、あわてて今日の本来の目的であったお墓参りに行くため、博物館を後にしました。二男は3Fでもっと飛行機を見ていたい、と言っていましたが、今日はもう時間が無いから、また来るからね(1年後?)ということで納得してもらい、博物館を後にしました。

それにしても、なかなか高そうなカメラを持って離発着する飛行機の撮影を楽しんでいる人 (鉄道の場合は「撮り鉄」ですが飛行機の場合は何と呼ぶのだろう)、いかにもオタクという少年等、マニアというものはどこの世界にもいるものだなぁ、と思いました。マニアにとっては垂涎の地、メッカのようなものでしょうか。なお、JAFの割引が効くのでJAFに加入の方はカードをお忘れなく (その場合は自販機でのチケットは購入できないので、受付でカードを提示の上、購入)。

航空科学博物館でかなりの時間を食ってしまったので墓参りは簡単に済ませ (すんません)、運転と暑さと子供のお付き合いでへろへろになっている私は、さぁ、帰ろう、と思ったら、やはり風車を見たいというので佐倉ふるさと広場へ。風車は4時で閉まるので今回は中には入れませんでしたが、子供は何回も入っているので特にそれについては何もなく、隣にある田んぼの道端でカエルを探したりしていました。どうやらそれが狙いだったようです。私が子供のころは近くに田んぼはたくさんあったのですが、今の住まいの場所はそういうところではないので、彼らにとっては貴重な経験の場なのでしょう。まぁ、しょうがない、と諦め、しばらく好きにさせておきました。