うちの女番長

私が仕事から帰ると家族は全員、寝ています。でも、光や音に敏感な娘は、かなりの確率で起きてきます。昨日などは12時頃、私がお風呂に入っていたら起きてきて、脱衣所で私が出てくるのをずっと待っていました。目的はカルピス。眠そうな顔をして「お父さん、カルピス」と言ってカルピスを要求します。小さな娘用のカップにカルピスを作ってあげると、ごくごくと、おいしそうに喉を鳴らして飲み、そして満足して布団に戻ります。

でも、これもかなりの確率でまた起きてきて、「お父さん、一人で眠れないからいっしょに寝て」とお願い。「お父さん、まだ仕事があるからお布団で待っていてね」と言うと、娘は「きっと来てね」と言ってまた布団に戻りますが、また私のところにやってきては、「お父さん、来て!」とお願い。こうなるともう無理だとわかっているのでいっしょに布団に入ってあげるのですが、すぐにすやすやと眠る時もあれば、「お父さん、今日ね、こんなことがあったんだよ」とお話ししてくれることもあります。そうするともう止まらない。「明日、起きれなくなるから、もうお休みしよう」と言って寝かしつけます。その場合は、毎晩少ない睡眠時間しかない私もそのままいっしょに寝てしまい朝を迎えるか、2時とか3時とか変な時間に目を覚まして、しまった、と起きてはそのまま朝を迎えたりします。

最近、「お願い、いっしょに来て!」が多くなり、そのおかげで夜にやろうと思っていたことが全く消化できません。でも、娘といっしょに寝るのも楽しみの一つ。つまりよると、妻といっしょに寝ていた娘は最近、私の布団で寝ているようです(といっても寝像が悪いので、あっちに行ったりこっちに行ったりで私が寝るときにそこにいるとは限りませんが)。妻によると、私の布団で私の帰りを待ち、すぐにいっしょに眠れるように待機しているのだそうです。「お父さんが帰ってくると、あっちのお部屋が明るくなるからわかるんだよ」と言っているそうです。そのうち、こちらから頼んでもいっしょに寝てはくれないのだろうと思うと、今、この時を大切にせねば、と考えています。

そういえば、朝、私の出社時のいってらっしゃいチューも復活しました。丁度私が出社する時にEテレで大好きなはなかっぱをやっており、その時に「チューは?」と言っても私のほうを見ることも無くテレビにくぎ付け。無理やり、チューをしようと顔を近づけて行くと、「何すんだ!このおやじ!」とばかりに私の顔を片手でわしづかみしたり平手打ちをくらわしたり。また、せっかくチューしてくれた場合でも、すかさず唇をごしごしぬぐったりしていました。これは妻が娘に、「ちゃんと唇をふいときな」と言ったのでそういうことをやるようになったのですが、お父さんとしては非常に悲しいリアクション。でも最近は、また娘から「チュー」と言っては駆け寄ってきてくれますし、チューした後も、「ふいてないよ」と、にやっと笑ったり。将来、こうやって男を騙していくんだろうな、と心強いものを感じています。

上のお兄ちゃん(小4と小2)やお兄ちゃんの友達といっしょに遊ぶことが多いので、すっかり男勝りになってしまったうちの女番長も、先週で4歳になりました。私が家にいるときは、娘の食事、お風呂、トイレの世話等一切、私が担当。トイレに行く時も、「お父さん、トイレ(に入るから待機していてね)」と言ってはトイレに入り、用がすんだら「出た―!」と言って私を呼んで拭いてもらっています。これは外に出た時もそうで、外でもトイレの時は妻では無く私に言いに来ます。食事の際も、髪の毛がご飯に入らないようにゴムで結んであげたり、まるで執事のようにかいがいしくお世話をさせていただいています。

娘も、いつまでこうやって父親である私の相手をしてくれるのかわかりませんが、一日も長く続けばいいと願っております。