予防接種のちゃんぽん

インドに出張の運びとなりました。それでなくとも新しい職場で訳もわからぬまま日々が過ぎており、頭が出張までたどり着いておりません。今までは主にアメリカしか行ったことが無く、アメリカであれば何も心配は無いのですが、アジアは今回が初めて。また、新しい職場ではどこまでケアしてくれるのかさっぱり分からず、気が付いた時には「あれっ、これは自分でやるのか」という具合。昨日、あわててビザを申請に行ったり。
今日は予防接種。いろんな情報を総合すると、もう今から行っても間に合わない、と思ってはいたのですが、ダメもとでいいので、ということで、近所にある海外旅行の時の予防接種専門の外来がある病院を会社から電話して予約。今日は保険証を持ってきていないから明日以降、と思っていたら、そもそも予防接種は保険がきかないので保険証は不要。ということで、今日の夕方の予約を取り、早めに退出して病院へ go。
もう1週間ちょっとなので、病院では参考情報くらい入手して終わりでしょう、くらい思っていたらさにあらず。「インドです」、と告げると先生は、「インドですかー」、としばし沈黙。そう、大変なとこなんですよね。しばしの沈黙の後、先生は予防接種スケジュール表に書かれているいくつかの予防接種のところに4つ、マルをつけて「これを今日、いっぺんにやりましょう」と言う。

事前に、「やるとしたらA型肝炎破傷風かなぁ」とは思ってはいたものの、合計4つとは予想外。「いっぺんに4つもやって大丈夫なんですか?」と素朴な疑問を呈すると、先生は事もなげに、「全然大丈夫ですよー。お酒だってちゃんぽんしても大丈夫でしょ」とのたまう。心の中で、「お酒のちゃんぽんは大丈夫じゃなくてダメでしょ」とは思ってみたものの、「予防接種のちゃんぽんは大丈夫ってことですね?」と先生に再確認。「はい、大丈夫です」と言い切られたのでこの4つをやることに決定。ただ、「2,3日はその部分が痛いかもしれませんけどそれは普通なので大丈夫。ただ、尋常ではない痛さだったら遠慮なく来てくださいねー」と言うので、「そちゃそうだろう、尋常じゃなかったら来ますよ」と思いながら診察室を後にして待合室で待機。
準備が出来るのを待っていると看護婦さんに呼ばれて別室へ。そこにはトレイの上に準備された4本の注射器がありました。「いやー、4ついっぺんになんて、産まれてからはじめてですよ」と言うと、看護婦さんも笑って、「そうですよねー」、「じゃ、右腕に2本、左腕に2本やりますから頑張ってくださいね。間を空けると何ですから、一気にやっちゃいましょうね」と言う。「頑張る?」、「間を開けないで一気にやったほうがいい?」、「なんで?」、「痛いのか?」と数々の?が私の頭の中に次々と発生。
まずは利き手の右からというので一本目を注射。「あれっ?全く痛くない」というか、注射しているという感覚も無いくらい。「全然痛く無いですよー」と言うと、看護婦さんはうれしそうに「よかったー、じゃ、次、行きますよー」と2本目を注射。これも全く痛くない。「これも全然大丈夫ですよー」と言うと、「いい場所にできたかも。じゃ、次、左ですよー」と3本目を注射。これも全く痛くない。単に場所が良かったとかそんな問題ではなく、この看護婦さんが上手なのか、または私が感覚が加齢のために衰えているのかどちらかだ。「じゃ、最後、破傷風行きますよー。これは皆さん、痛いっておっしゃいますから頑張ってくださいねー」と言い、最後の4本目を注射。確かに前の3本とは違うのですが、でも、全然痛くない。「なんだー、脅かすんじゃないよー」と心の中で思いながら、待合室に戻りました。
結局、初診料などを入れて3万4千円くらい。保険が効かないので100%だし、4本も打っているから仕方ないのでしょう。
それにしても、4本も打ったのに腕が全く痛くない。インフルエンザの予防接種の時は、やはり1、2日くらいはその部分が痛いのですが、今晩は全くいつもと同じ感覚。ということは、やはりあの看護婦さんが上手なのかもしれません。
ちなみにこの手の病院の情報は、厚生労働省検疫所の予防接種機関情報で探すことが出来ます。これを見ると、やはり大都市は充実しています。地方の場合、ワクチンは取り寄せが多いので、急な対応は難しいのでしょう。