楽譜制作

次男が入学した中学で、ピアノを弾くことができる人に、校歌をピアノで引くことが出来るように練習せよと楽譜が配られ、そのうち、到達度を確認するテストがあるという。式典などでピアノを弾く生徒を選抜するのだろう。しかし、次男は適当に流している。その気持ちはよくわかる。同じクラスには、次男と同じ出身小学校でのピアノの二大巨頭がそろっているから。母親たちの間でも、あの二人をなんで同じクラスにしたのだろう、という話になっているようだ。他のクラスが手薄になってしまうから。それくらい抜きんでている。

とはいえ、不戦敗は止めようよ。どうせ勝てないのだから気楽にやればいい。せめて、弾くことができるようになっていれば、何かの時に役に立つかもしれない。

学校からもらってきた楽譜はコピーにコピーを重ねたもので、判読できない。とはいえ、絶対に誰かきれいな楽譜を持っているはず、ということで探したところ、その二大巨頭の一人が持っていたのでそこからコピーしてもらった。しかし、次男はやはりテキトーにしている。

仕方ない。やはりことはITで出番である。校歌のMIDIファイルを作り、それを我が家の電子ピアノに読み込ませれば、電子ピアノの画面に楽譜が映り、そして音も出るからすこしはやる気になるかもしれない。

では、ということでソフトを探す。この手の分野では、print music finale というのが超有名らしい (有償ソフト。ただしお試し版はある)。ただ、ファイルからの入力の場合 tiff からとなる。イメージのフォーマット変換は仕事のうちなので私にとっては手慣れたものとはいえ、商売で使っているソフトをプライベートで使うわけにもいかない。面倒なので、KAWAI のスコアメーカー体験版を使用。こちらは pdf から読み込むことが出来る。ただし、体験版の使用期間が2週間と短い。最初、次男が学校からもらってきた判読不能な楽譜ではまったく役に立たなかったのであきらめていたが、きれいな楽譜が入手できたのでスキャンして PDF にして、スコアメーカーに読み込ませ (要するに OCR/OMR: Optical Character/Mark Recognition)、後は手作業での修正となる。OCR/OMR はそこそこ頑張ってくれてはいるものの、やはり間違いが多い。読み込んだ楽譜を使って音を出すと、奇妙なところがたくさんある。(うちの会社の本業なので、うちのエンジニアに頑張らせるともっといい認識率のものができるかもしれないが) 小中と音楽はほとんどオール5であったはずの私ももう40年くらい、楽譜を見ていない。そもそもこのソフトも使うのが初めてなので操作がよくわからないし、音楽用語もよくわからない。手作業で直すと言ってもハンパではないが、ビデオ撮影した入学式での校歌を mp3 にしてずっと流して耳を鳴らし、ほぼ徹夜で楽譜制作を実施し、今日の昼頃に完成。MIDI に変換すると、我が家のローランドの電子ピアノの画面に楽譜が映し出され、ピアノも期待通りの音を出してくれた。

やったね。しかし、次男は朝から遊びに行っておりいない。一人で喜ぶしかなかった。

昼、次男が昼食を食べに帰宅してきた。できたよ、と言っても、「親父、めんどくせーなー。やらなきゃいけなくなったじゃねーか。」という顔つき。こっちも次男に頼まれたわけではないので強くは言えないが、ちょっと寂しい。

昼食後、私は買い物に出かけたが、妻に聞いたら、次男はピアノを練習していたとのこと。よしよし。次男の好物 (主食と言ってもいい) である柿の種大袋を3袋、スーパーで買ってあげた。

しかし、この作業により、貴重な3連休の2日がほぼつぶれた。月曜日までに仕上げておかなければならないレポート等がたくさんのあるのだが、間に合うだろうか?もう今日は仕事をする気になれない。

それにしても、スコアメーカー、欲しくなった。一番下のクラスのスコアメーカー Lite で1万7千円くらいか。微妙な金額だ。