「ガイアの夜明け」を見て思うこと

昨晩の東京12chの番組 ガイアの夜明け もう泣き寝入りはしない! 〜立ち上がった働く若者たち〜 のあと、インターネット上では番組で取り上げられていたIT企業の名前を特定したり、そこのウエブサイトがアクセスできなくなっている原因を詮索したりという具合にちょっとした騒ぎになっているようです。私もアジア大会の柔道を見た後、チャンネルを回していたらちょうど番組が始まったところで、ずっと見てしまいました。

よく「あの会社はブラック」という表現を使いますが、会社と経営側は切り分けて考えてあげないと、そこでまじめに働いている人はかわいそう。番組で取り上げられたあのIT会社は、かなりのダメージを受け、下手すると会社がつぶれてしまうでしょう。外野にいる人はブラックだからつぶれて当然、つぶれてよかった、と思うのでしょうれど、そこで働いている従業員は元ブラック会社という経歴をかかえて次を探さねばなりません。自分の意志で辞めるのと会社が無くなってしまうのとでは決定的な違いがあります。そこはただの野次馬になっている人は考えてあげないと。経営者側の考えを変え、一方的な雇用条件を変えることが目的であって、会社を炎上させることが目的ではないはず。会社が経営的に立ち行かなくなったのを見たところで、彼女は喜べないでしょう。それが目的ではなかったはず。

私は彼女が厚労省での会見で言っていた「お金ではなく、会社に奪われた自信と自尊心を取り戻す」(録画していないので正確に覚えていません。特に「お金ではなく」の部分はもっと長かった) を聞いて、そうなんだよね、「自信と自尊心」なんだよね、と思いました。会社側に都合のいい一方的な雇用条件は変えないといけませんが、会社側と労働者側の間で心が通い合っていれば、訴えるところまではいかなかったのではないかと思います。 会社側に都合のいい一方的な雇用条件がそのままでいいとは言いませんが、また日本的かもしれませんが、それについて話が出来る人間関係があるかどうかが重要ではないかと。

おそらく労働審判なのでそんなに長くはかからないと思いますが、問題は、勝ったところでそれで彼女が自信と自尊心を取り戻して次に進めるか。そこが気がかりです。