中間一貫高

今朝、小6になった長男の中学校進学のことが家族内で話題となりました。周囲に数人、中高一貫校の受験をする、という人がいるようですが、東京といっても都心から離れておりのんびりしているここあたりでは、そんなに受験受験していません。
妻が冗談で、「そんなのに流されては駄目だ、中高一貫校を目指せ!」みたいなことを言い出したところから話(だけ)が大盛り上がり。そもそもこのあたりではどこに中高一貫校があるのかも把握していなかったので息子に検索してみな、と言ったところ、息子は出てこないよ、と言うのでおかしいなー、と思ってPCを確認したら「中間一貫高」で検索していました。
まったく、面倒だから俺がやるよ、と調べ初めてわかりました。なるほど、このへんで近いのは立川、八王子あたりですね。ちょっとそこを調べてみたのですが、なんかしっくりきません。エリアを広げたら出てきたのが東京都立武蔵高等学校附属中学校 (長いなぁ)。
「おぉ、ここだ!」と私の心は動きました。
私は基本的に学校は伝統を重んじます。新しい学校が悪いというわけではありませんが、伝統というのはお金では買えません。過去からの蓄積というのは大切。この学校のウエブサイトを見ても、行事もクラブ活動も盛んのように見えます。
「そうだ、ムサシだ!」と子供に発破をかけ、話はますますヒートアップ。
息子が「試験ではどんな問題が出るのかな?」と言ったのでその学校のサイトを検索して発見。ただ、後で気がついたのですが、付属中学ではなく高校をほうを見つけていたのです(国語数学英語)。「そうか、さすがムサシ。算数ではなく数学か。ううむ。もう既に √ や2次方程式か?英語もすごいな。こりゃ、うちの会社の社員も解けないな」等と見ていた私の横で、息子が焦りまくり。「こんなの、さっぱりわからないよ。そもそも問題の意味がわかんないよ。」と言う息子に、「いいか、お前と同い年でもこんなの簡単に解けるやつがいっぱいいるんだぞ。それが現実だぞ」などとわけのわからないことでけしかける私。
実は今日、土曜日はうちの小学校では参加希望者のみが勉強をする日 (定期的にやってます)。息子に、「この問題を印刷して持っていって、ムサシはすごいぞ、と言ってみんなでこれをどうするか話し合ってみたらどうだ?」と言うと、「そんなの、しーんとしてしまって超盛り下がりだよ」と悲しそうな顔で息子は返事。
「駄目だ駄目だ、先生に相談してチャレンジ ムサシ プロジェクトを作ってもらえ。北小で今まで、ムサシに行った子はいるのかな?いないのだったら、先生も一丸となって取り組んでくれんるんじゃないか?」とさらに煽り立てる私。
気がつくと息子は、この前、買ってもらった参考書「自由自在」の算数版を持ってきて、必死に「√ (ルート) はどこに載っている?」と探していました。その姿を見て私も心が動きました。私は息子に対して、「よしわかった。お父さんにまかしとけ。お父さんが ROAD TO ムサシの詳細なプログラムを作ってやるよ」と言うと、息子も「頼むよ、俺、どうしていいか、わかんないよ」と哀願のまなざしを私に向けるのでした。
結局、なんかしょぼくれた顔をして学校に向かった息子を見送った後、妻とその問題のレベルについて語り始めました。
妻:「えーっ!こんなこと、やってんの!だめじゃん。学校だけ行ってれば受験できるようなレベルじゃないと駄目じゃないの?私、Oさん (近所の市会議員)さんに言っとく。こんなの、日本で許されていいわけはないって。だったら、小学校だけ行っていてもだめってことじゃない。でも、これが現実だったら、ここの市の小学校の教育を根本から見直さないと、みんな、落ちこぼれで誰もここに住まなくなってしまうんじゃない?それってまずくない?政治家にがんばってもらわないと」
私:「俺なんかさ、中学校の時に高校生の兄貴の宿題、替わりにやってたんだよ。兄貴がさ、俺、わかんないからやっといてってもって来た宿題、いつもさらさらって回答してたんだよ (註:これホント。兄貴もいつものことなんで、別に驚かずそれを受け入れていた)。だからさ、要はやる気なんだよ。やる気があるやつはどんどん、先のことやっちゃんうんだよ。A子(うちの娘) を見ろよ。幼稚園なのに、もうお兄ちゃんの小学校1年生の国語や算数の教科書、いっつも見て勉強してるだろ (註:これホント。娘の本棚には小学校1年生からの教科書が並んでいて、すでに掛け算、やっている。国語は、もうすぐ1年生の教科書、終わるよ、と娘が言っている)。やる気があるヤツはどんどん先のことをさせないで横並びだから日本は駄目なんだよ」
などと、どんどんヒートアップ。
しかし、私は再びその問題を見直していたところ、気がつきました。
「やば!これ、高校入試問題だよ!そりゃそーだよな。小学生にルートはないよな。」
これに対して妻も大笑い。「あーよかった。ほんとにOさんに言うとこだったよ。市議会で議論されちゃったら収拾、つかないじゃん」
そして学校から帰ってきた息子に恐る恐る伝えたところ、顔が満面の笑顔に変わりました。「あー、よかった。じゃあ、中学の試験ってどんなのかな?」というので、今度は間違いなく中学の問題を見つけて印刷して息子に渡してあげました。「あっ、これ、今度は問題文はわかるよ!」
そして部屋にこもり、黙々と問題に取り組み始めました (とっても素直な息子です)。
息子の自己採点では、国語は80点以上で算数が60点くらいかなぁ、という感じ。でも、手ごたえは感じたようで、「もしかしたら俺、ムサシ、大丈夫かもしれない」と言い出しました (とっても単純な息子です)。そーだそーだ、まずはやる気なんだよ、それがあればムサシでも地元の中学でもいいんだよ。
俄然、その気になってきた息子に、「お父さん、ROAD TO ムサシの詳細なプログラム、作ってよ」と言われた私は、「そんなに頑張らなくたって合格、できんじゃない?」と言い返したのですが「だめだよ、プログラム、作ってよ!」と言われてしまい、少々、やりすぎてしまったと反省しております。
でも、明日には勢いで AMAZON に注文してしまった、塾不要 親子で挑んだ公立中高一貫校受験 が届きます。まずはこれだな。